「企業分析って、何をどこまで調べればいいの?」
「調べ始めると情報が多すぎて、1社に何時間もかかってしまう」

企業分析は、就活の中で最も差がつく部分です。自己PRやガクチカはどの企業でも使い回せますが、企業分析は企業ごとに一から調べなければなりません。手間がかかるからこそ、おろそかにする就活生が多く、きちんとやった人との差が大きく開きます。

結論から言うと、企業分析は次の考え方で進めるのが効率的です。

  • 企業分析の目的は、面接で自分の話を面接官に聞いてもらうこと
  • 調べるのは「事業・顧客・競合・業界での立ち位置・今後の計画」の5項目だけでよい
  • 情報源と手順を決めておけば、1社30分で終わる

この記事では、企業分析の目的と、面接で差がつく「調べる5項目」、1社30分で終わらせる具体的な手順を解説します。

企業分析は何のため?

企業分析を始める前に、まず目的をはっきりさせておきましょう。目的があいまいなまま調べ始めると、関係のない情報まで集めてしまい、時間ばかりかかります。

企業分析の目的は、大きく2つあります。

  1. ESを書くため:志望動機など、企業のことを知らなければ書けない設問に答えるため
  2. 面接で話を聞いてもらうため:こちらの方がはるかに重要です

企業分析は面接でこそ差がつく

面接には、情報の差があります。面接官はその企業に何年、何十年と勤めている人です。一方、就活生は少し調べただけの知識しか持っていません。最初から対等ではないのです。

しかも、就活生は短い期間で何十社も受けるため、1社あたりにかけられる時間はどうしても少なくなります。

この状態で面接官に「この学生はうちのことを分かっている」と思ってもらえれば、それだけで話を真剣に聞いてもらえるようになります。企業分析は、面接官と同じ言葉で話すための準備だと考えてください。

企業分析と自己分析、どちらが大事?

私の考えでは、自己分析よりも企業分析の方がはるかに大事です。自己分析で自分のことを深く掘り下げても、それを企業の話に結びつけられなければ、面接では評価されません。逆に、企業のことをよく分かっていれば、自分の経験をその企業の仕事にどう活かせるかを具体的に話せます。

面接で差がつく「調べる5項目」

企業分析で調べることは、次の5項目に絞れば十分です。

項目調べること面接での使い方
① 事業何を売って、どうやって稼いでいるか「どの事業に関わりたいか」を答える
② 顧客誰に売っているか(個人か企業か、どんな業界か)仕事のイメージを具体的に話す
③ 競合同じ業界のライバルはどこか「なぜ他社ではなくこの会社か」に答える
④ 業界での立ち位置業界で何番手か、強みは何か志望動機に説得力を持たせる
⑤ 今後の計画これから力を入れる事業や目標入社後にやりたいことを語る

① 事業:何を売って、どうやって稼いでいるか

まずは、その企業が何を売っているのかを調べます。複数の事業を持っている企業なら、どの事業が売上の柱になっているかも確認しておきましょう。会社の名前は知っていても、どうやって稼いでいるかを説明できない就活生は意外と多いので、ここを押さえるだけでも差がつきます。

② 顧客:誰に売っているか

次に、その企業の顧客を調べます。一般の消費者に売っているのか(BtoC)、企業に売っているのか(BtoB)で、仕事の内容は大きく変わります。顧客が分かると、入社後の仕事を具体的にイメージして話せるようになります。

③ 競合:同じ業界のライバルはどこか

面接でほぼ必ず聞かれるのが、「なぜ同業他社ではなく当社なのか」という質問です。この質問に答えるには、競合となる企業を2〜3社把握し、その違いを説明できるようにしておく必要があります。

④ 業界での立ち位置:何番手で、強みは何か

業界の中で、その企業が何番手なのか、どんな強みを持っているのかを調べます。トップ企業なのか、特定の分野に強い企業なのかで、志望動機の書き方も変わります。

⑤ 今後の計画:これから何に力を入れるか

最後に、その企業がこれから力を入れようとしている事業や目標を調べます。「入社後にやりたいこと」を、企業の今後の計画と結びつけて話せると、面接官に「うちで働く姿がイメージできている」と思ってもらえます。

企業分析に使う情報源

5項目を調べるときは、次の情報源を使います。最初から全部を読む必要はありません。上から順に見ていけば、多くの場合は30分で5項目がそろいます。

  • 採用ページ:事業内容、仕事内容、求める人物像。まずはここから
  • 企業の公式サイトのIR情報(投資家向け情報):上場企業なら、事業ごとの売上や今後の計画(中期経営計画)が分かりやすくまとまっている
  • 業界地図などの本:競合や業界での立ち位置をつかむのに便利
  • 業界新聞:その業界で今何が話題になっているかが分かる。面接で一歩踏み込んだ話ができる

特に業界新聞は、ほかの就活生がほとんど使っていないため、大きな差がつく情報源です。

1社30分で終わる企業分析の手順

それでは、実際に1社30分で企業分析を終わらせる手順を紹介します。

1社30分の手順

  1. 採用ページで、事業と仕事内容を確認する(5分)
  2. IR情報や会社案内で、事業ごとの売上と今後の計画を確認する(10分)
  3. 業界地図などで、競合と業界での立ち位置を確認する(5分)
  4. 5項目を企業分析シートに書き込む(5分)
  5. 面接で話すことを1〜2文にまとめる(5分)

ポイントは、調べながら、すぐに下の「企業分析シート」に書き込むことです。読むだけで終わらせると、時間がたつとほとんど忘れてしまいます。

企業分析シート

次の表をそのまま使って、1社ずつ埋めていきましょう。

項目記入例(架空の食品メーカーの場合)
事業調味料の製造・販売。売上の6割が家庭用
顧客スーパーなどの小売店、外食チェーン
競合同じ調味料を扱う大手2社
業界での立ち位置業界3番手。特定の商品ジャンルでは高いシェア
今後の計画海外での販売と、外食向けの業務用商品を強化
面接で話すこと外食向けの商品を、店舗の課題に合わせて提案する営業がしたい

最後の「面接で話すこと」まで書いておけば、そのまま志望動機や面接の回答に使えます。

企業リストとあわせて管理する

企業分析シートは、受ける企業の一覧(企業リスト)とあわせて管理すると便利です。選考の進み具合と一緒に見られるので、面接の直前に見返すのにも役立ちます。

企業分析を面接で使うコツ

調べた内容は、面接で使ってこそ意味があります。最後に、面接での使い方のコツを紹介します。

調べたことを全部話そうとしない

調べたことを全部話そうとすると、話が長くなり、かえって印象が悪くなります。面接では、5項目の中から1つか2つを選び、自分の経験と結びつけて話すのが効果的です。

質問に「企業の言葉」で答える

企業の採用ページやIR情報で使われている言葉を使って話すと、面接官に「よく調べている」と伝わります。たとえば、企業が「外食向けの事業を強化する」と発表しているなら、その言葉をそのまま志望動機に入れて話してみてください。

逆質問にも使える

面接の最後にある逆質問でも、企業分析が役立ちます。「今後の計画」で調べた内容をもとに質問すると、意欲の高さが伝わります。

ポイント:志望動機は企業が教えてくれる

企業が「言ってほしいこと」は、採用ページやIR情報に書かれています。企業分析は、その答えを探す作業だと考えると、迷わず進められます。

よくある質問

上場していない企業で、IR情報がないときは?

採用ページや会社案内、企業の公式サイトの事業紹介を中心に調べましょう。非上場の企業でも、事業内容や主な取引先を公開していることは多いです。足りない部分は、業界地図や業界新聞で業界全体の動きを調べ、説明会で直接質問して補うと効果的です。

企業分析は何社分やればいい?

エントリーした企業は、すべて最低限の企業分析をしておくのが理想です。ただし、全社を同じ深さで調べる必要はありません。ESの段階では5項目をざっと埋める程度にとどめ、面接に進んだ企業から深く調べていくと、時間を無駄にせずに済みます。

OB訪問をしないと企業分析は不十分?

不十分ではありません。この記事で紹介した情報源だけでも、面接で話すのに十分な材料はそろいます。OB訪問は時間がかかるうえ、聞ける話も人によってばらつきがあります。まずは公開されている情報で5項目を押さえることを優先しましょう。

企業分析はいつから始めればいい?

ESを書く前に始めるのが理想です。志望動機を書くには、企業のことを知っておく必要があるからです。まずはエントリーを考えている企業の一覧を作り、ESの締め切りが近い企業から順番に進めていきましょう。

まとめ

企業分析は、面接で自分の話を聞いてもらうための準備です。

  • 調べるのは「事業・顧客・競合・業界での立ち位置・今後の計画」の5項目
  • 採用ページ、IR情報、業界地図、業界新聞の順に見れば、1社30分で終わる
  • 調べたらすぐに企業分析シートに書き込み、面接で話すことまでまとめておく

企業分析は、使い回しがきかないからこそ差がつく部分です。手順を決めて、1社ずつ着実に進めていきましょう。

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