ESを書き始めると、最初に悩むのが「ガクチカ」と「志望動機」です。どちらも自分のことを書く設問に見えるので、「何が違うの?」「同じような内容になってしまう」と迷う人も多いでしょう。

結論から言うと、ガクチカと志望動機の違いは次の3つです。

  • ガクチカは「過去」の話。あなたがどんな人かを伝える
  • 志望動機は「未来」の話。その企業で何をしたいかを伝える
  • 違いがわかれば、それぞれ型に当てはめて短時間で書ける

この記事では、企業がESで知りたいことから、ガクチカと志望動機の違いを整理し、それぞれの書き方を解説します。

企業がESで知りたいのは3つだけ

ガクチカと志望動機の違いを理解するには、まず「企業はESで何を知りたいのか」を考える必要があります。

ESにはいろいろな設問がありますが、企業が知りたいことは、大きく分けて次の3つだけです。

企業が知りたいことどの設問で見るか
応募者のスペック学歴、TOEICなどの資格
人柄(パーソナリティ)ガクチカ、自己PR
企業への理解度志望動機

つまり、ガクチカは「人柄」を、志望動機は「企業への理解度」を見るための設問です。ここが、両者の一番大きな違いです。

ガクチカと志望動機の違い

ガクチカと志望動機の違いを比べた図
ガクチカは過去と自分、志望動機は未来と企業

ガクチカは「過去」と「自分」に矢印が向いている

ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)で企業が知りたいのは、「あなたはどんな人なのか」です。慎重な人なのか、挑戦が好きな人なのか、人と協力するのが得意なのか。過去の経験を通して、その人柄を見ています。

つまり、ガクチカは矢印が「自分」に向いている設問です。

志望動機は「未来」と「企業」に矢印が向いている

一方、志望動機で企業が知りたいのは、「あなたは当社のことをどう理解し、入社後に何をしたいのか」です。

「動機」という言葉がついているので、自分のことばかり書いてしまいがちですが、それでは評価されません。「なぜこの企業に行きたいのか」ではなく、「この企業で何をしたいのか」を書くのが志望動機です。

つまり、志望動機は矢印が「企業」に向いている設問です。

ガクチカの書き方

ガクチカは、次の型に当てはめると短時間で書けます。

ガクチカの型

  1. 結論:力を入れたことは何か
  2. 課題:そこでどんな問題があったか
  3. 行動:自分が考えて何をしたか
  4. 結果と学び:どうなったか、何を学んだか

ポイントは、「行動」の部分に一番多くの文字数を使うことです。企業が知りたいのは、すごい実績ではなく、課題に対してあなたがどう考え、どう動く人なのかだからです。アルバイトやサークルなど、身近な経験で十分です。

志望動機の書き方

志望動機で差がつくのは、企業分析です。企業のことを知らなければ、「この企業で何をしたいか」は書けません。

志望動機の型

  1. 結論:その企業でやりたいこと
  2. 理由:企業の事業・強み・今後の方向性のどこに魅力を感じたか
  3. 貢献:自分の経験や強みを、入社後にどう活かすか

志望動機を書くときは、先に企業分析をして、そこから「入社後にやりたいこと」を逆算すると簡単です。企業が力を入れようとしている事業や、採用ページで強調している内容は、そのまま志望動機の材料になります。

例文で比べるガクチカと志望動機

同じ人が書いたガクチカと志望動機の例で、違いを確認してみましょう。

ガクチカの例(過去・自分)

私が学生時代に力を入れたことは、飲食店のアルバイトで新人スタッフの定着率を上げたことです。

私の店では、新人が仕事に慣れる前に辞めてしまうことが課題でした。

そこで私は、よくある質問と答えをまとめたメモを作り、新人が困ったときにすぐ確認できるようにしました。また、最初の1か月は週に一度、困っていることを聞く時間を作りました。

その結果、私が担当した期間に入った新人は、全員が3か月以上続けてくれました。この経験から、相手が困っていることを先回りして解決する大切さを学びました。

志望動機の例(未来・企業)

私が貴社を志望するのは、法人のお客さまの課題に先回りして提案する営業がしたいと考えたからです。

貴社は〇〇の分野で高いシェアを持ち、導入後のサポートまで一貫して行う体制を強みにしていると知りました。

アルバイトで新人の困りごとを先回りして解決してきた経験を活かし、お客さまが気づいていない課題まで提案できる営業として、貴社の〇〇事業に貢献したいと考えています。

ガクチカは「何をしてきたか」、志望動機は「これから何をしたいか」が中心になっていることが分かります。そして志望動機の最後で、ガクチカの経験につなげているのがポイントです。

よくあるNGとその直し方

よくあるNG何が問題か直し方
志望動機がガクチカの話ばかり企業への理解が伝わらない企業の事業や強みを中心に書き、経験は最後に一文で添える
ガクチカが結果の自慢だけ人柄が伝わらない課題に対して自分が考えて行動した過程を中心に書く
志望動機が「成長したい」だけどの企業にも言えて、志望度が伝わらないその企業でしかできないことを、企業分析をもとに書く

ガクチカと志望動機をつなげると説得力が増す

ガクチカと志望動機は別の設問ですが、つながりを持たせると、ES全体の説得力が増します。

たとえば、ガクチカで「アルバイト先で売上を伸ばすために、お客さまの声を集めて改善した」と書いたなら、志望動機では「お客さまの課題を聞いて提案する営業として、貴社の〇〇事業に貢献したい」とつなげることができます。

過去(ガクチカ)で見せた人柄が、未来(志望動機)でどう活きるのかが伝わると、面接官は入社後のあなたの姿をイメージしやすくなります。

ポイント:ESと面接で話す内容をそろえる

ESに書いたガクチカと志望動機は、面接でも必ず深掘りされます。ESと面接で話がずれないよう、同じ素材を使って話せるようにしておきましょう。

よくある質問

ガクチカと自己PRの違いは何ですか?

どちらも人柄を見る設問ですが、ガクチカは「何に取り組んだか(経験)」、自己PRは「自分の強みは何か(特徴)」が中心です。同じエピソードを使い回してかまいませんが、ガクチカでは取り組みの過程を、自己PRでは強みを先に書くと書き分けやすくなります。

志望動機にガクチカのエピソードを入れてもいいですか?

入れてかまいません。むしろ、ガクチカで見せた経験や強みを「入社後にどう活かすか」として志望動機に入れると、ES全体に一貫性が出ます。ただし、志望動機の中心はあくまで「企業でやりたいこと」なので、エピソードは短くまとめましょう。

ガクチカに書けるような特別な経験がありません

特別な経験は必要ありません。アルバイトやゼミ、サークル、趣味など、日常の経験で十分です。大事なのは結果の大きさではなく、課題に対して自分がどう考えて行動したかです。

まとめ

ガクチカと志望動機の違いがわかれば、ESは迷わず書けます。

  • ガクチカは「過去」と「自分」。経験を通して人柄を伝える
  • 志望動機は「未来」と「企業」。企業分析をもとに、入社後にやりたいことを伝える
  • それぞれ型に当てはめ、つながりを持たせると説得力が増す

違いを意識して書き分ければ、ESを書く時間は大きく減ります。浮いた時間は、企業分析や面接の準備に使いましょう。

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