ホワイト企業の見分け方|就活生が公開データで確かめられる5つの数字
「ホワイト企業に入りたいけれど、どうやって見分ければいいのかわからない」と悩んでいませんか。
結論から言うと、ホワイト企業かどうかは、会社のイメージではなく、公開されている5つの数字で確かめるのが確実です。
- 見るべき数字は、3年後離職率、残業時間、有給休暇、育休取得率、平均勤続年数の5つ
- 就職四季報、しょくばらぼ、企業の採用ページで調べられる
- 知名度が低くても数字が良い企業は多く、そこが就活の狙い目になる
この記事では、5つの数字の見方と調べ方、数字だけではわからない点、知名度が低いホワイト企業の探し方を解説します。
ホワイト企業の見分け方は「イメージより数字」
ホワイト企業には、法律や国が決めた統一の定義はありません。一般的には、給料や休みなどの条件が良く、社員が長く働ける会社を指す言葉として使われています。
有名企業がホワイトとは限らない
有名な会社や、人気ランキングの上位にある会社が、働きやすいとは限りません。テレビCMで名前を知っていることと、社員が働きやすいことは別の話です。
同じように、「アットホームな職場です」「若手が活躍しています」といった採用ページの言葉も、それだけでは判断できません。言葉ではなく、数字で確かめるのが基本です。
見るべき5つの数字

| 見る数字 | 比べる目安 | 確かめること |
|---|---|---|
| 3年後離職率 | 大卒平均は33.8% | 新卒が辞めていないか |
| 平均残業時間 | 月20時間以下なら少なめ | 長時間労働がないか |
| 有給休暇の取得率 | 平均は66.9% | 休みを取りやすいか |
| 育休取得率 | 男性50.9%、女性88.3% | 男女とも制度を使えているか |
| 平均勤続年数 | 同じ業界の企業と比べる | 長く働く人がいるか |
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」、「令和7年就労条件総合調査」、「令和7年度雇用均等基本調査」。残業の目安は、下で紹介するユースエール認定の基準を参考にしました。
5つの数字の見方
ここからは、それぞれの数字の見方を説明します。
1. 3年後離職率
3年後離職率は、入社した新卒のうち、3年以内に辞めた人の割合です。厚生労働省の調査では、2022年3月に大学を卒業した人の3年以内離職率は33.8%でした。
これより大きく高いときは、なぜ辞めているのかを調べましょう。ただし、新卒を2〜3人しか採らない会社では、1人辞めただけで数字が大きく変わります。採用人数も一緒に見ることが大切です。
2. 平均残業時間
平均残業時間は、ひと月あたりの残業の平均です。厚生労働省のユースエール認定では、月平均20時間以下が基準の一つになっており、この数字を一つの目安にできます。
ただし、会社全体の平均なので、部署によって大きく違うことがあります。また、記録に残らないサービス残業は数字に出ません。説明会で「忙しい時期はどのくらい残業がありますか」と聞いてみましょう。
3. 有給休暇の取得率
有給休暇の取得率は、もらえる日数のうち、実際に使った日数の割合です。令和7年の調査では平均66.9%、取得日数は平均12.1日でした。
年間休日も一緒に確かめましょう。同じ調査では、労働者1人あたりの平均は116.6日です。
4. 育休取得率
育休取得率は、この記事で特に見てほしい数字です。令和7年度の調査では、男性50.9%、女性88.3%でした。
育休は、取っても職場が回る体制と、取りやすい雰囲気がなければ使えません。特に男性の取得率は、会社の余裕と考え方が表れやすい数字です。男性の取得率が高く、女性が復帰して働き続けている会社は、働きやすい可能性が高いと言えます。
また、従業員が300人を超える企業には、男性の育休取得率を公表する義務があります。採用ページや、厚生労働省の「両立支援のひろば」も確かめてみましょう。
5. 平均勤続年数
平均勤続年数は、社員が今の会社で働いている年数の平均です。長いほど、社員が定着していると考えられます。
ただし、新しい会社や、新卒を多く採り始めた会社では短くなりやすいので、数字だけで判断してはいけません。同じ業界の企業と比べましょう。
ホワイト企業の調べ方
5つの数字は、次のような場所で調べられます。

| 調べ先 | わかること | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 就職四季報 | 離職率、残業、有給休暇、勤続年数 | 大手や上場企業が中心 |
| しょくばらぼ | 働き方や採用の情報 | 登録している企業 |
| 採用ページ | 育休や福利厚生の数字 | 公表している企業 |
| 企業への問い合わせ | 若者雇用促進法に基づく情報 | 数字が見つからない企業 |
国の認定マークも目安になる
国が認定する制度も、会社を探すときの手がかりになります。中でも役立つのが「ユースエール認定」です。
ユースエール認定の主な基準
- 対象:従業員300人以下の中小企業
- 離職率:直近3事業年度の新卒などの離職率が20%以下
- 残業:月平均20時間以下で、月60時間以上の人がいない
- 有給休暇:取得率が平均70%以上、または平均10日以上
- 育休:男性の取得者が1人以上、または女性の取得率が75%以上
認定企業は、若者の採用や育成に積極的で、雇用管理の状況が優良な中小企業として国が認めた会社です。知名度が低い優良企業を探すときに、とても役立ちます。
求人票や説明会で気をつけたいサイン
数字がわかりにくい企業でも、求人票や説明会から気づけることがあります。次のような点があれば、もう少し詳しく調べましょう。
| 気づいた点 | 確かめること |
|---|---|
| 初任給に固定残業代が含まれている | 何時間分か、基本給はいくらか |
| いつ見ても大量に募集している | 事業の拡大か、人が辞めているのか |
| 「アットホーム」「夢」を強調している | 働く条件の説明もあるか |
| 休日の日数が書かれていない | 年間休日は何日か |
| 質問をはぐらかされる | 具体的な数字で答えてもらえるか |
固定残業代は必ず計算する
固定残業代とは、一定の時間分の残業代を、あらかじめ給料に含めて払う仕組みです。これ自体は違法ではありません。
ただし、初任給が高く見えても、基本給が低く、残業代が含まれているだけのこともあります。「基本給はいくらか」「何時間分の残業代が含まれているか」を確かめましょう。
同じ業界の会社と比べる
一つの会社の数字だけを見ても、良いのか悪いのか判断しにくいものです。業界によって忙しさや休みの取り方が違うからです。
同じ業界で3社ほど並べて比べると、その会社の特徴がわかりやすくなります。たとえば、離職率が全国平均より高くても、同じ業界の中では低いということもあります。
数字だけではわからないこと
数字は便利ですが、それだけで会社のすべてがわかるわけではありません。
説明会や面接では、社員同士の話し方や、質問に具体的に答えてくれるかを観察しましょう。数字が良いうえに、質問にきちんと答えてくれる会社なら、より安心できます。

知名度が低いホワイト企業を狙う
就活生の多くは、名前を知っている企業に集まります。超大手は、Aランクの大学の学生とも競合するので、内定を取るのは簡単ではありません。
一方で、部品や素材、機械などを企業向けに売っている会社には、知名度が低くても数字の良い会社があります。数字で探せば、人気企業に応募が集中している間に、競争の少ない優良企業を見つけられます。
探すときは、次の方法を試してみてください。
- 業界新聞を読む:普段の生活では名前を聞かない企業を見つけられる
- ユースエール認定企業を調べる:国の基準を満たす中小企業がわかる
- 有名企業の取引先を調べる:仕事が安定している企業を見つけられる
- 企業リストにまとめる:5つの数字を並べて比べる
ホワイト企業について、よくある質問
Q. ホワイト企業ランキングは信じていいですか?
参考の一つにはなりますが、ランキングごとに基準が違います。上位の企業でも、あなたの配属先が働きやすいとは限りません。ランキングで候補を見つけたら、数字を自分で確かめましょう。
Q. 新卒でホワイト企業に入るのは難しいですか?
有名なホワイト企業は応募が集中するので難しくなります。ただ、知名度が低い優良企業まで広げれば、入れる可能性は十分にあります。
Q. 数字を公表していない会社は避けるべきですか?
公表していないだけで、悪い会社とは言い切れません。中小企業では、数字を出す余裕がないこともあります。説明会などで質問し、答え方も含めて判断しましょう。
Q. 面接で残業や休みの話を聞いても大丈夫ですか?
聞き方に気をつければ問題ありません。「忙しい時期の働き方を教えてください」「皆さんはどのように休みを取っていますか」のように、働く様子を知りたいという形で聞きましょう。
Q. 給料が低くてもホワイト企業と言えますか?
休みが多くても、生活に十分な給料がもらえなければ、長く働くのは大変です。給料と働き方の両方を見て、自分が納得できるかで判断しましょう。
まとめ:ホワイト企業は5つの数字で見分ける
ホワイト企業の見分け方を、もう一度まとめます。
- イメージではなく、公開されている数字で確かめる
- 3年後離職率、残業時間、有給休暇、育休取得率、平均勤続年数の5つを見る
- 就職四季報、しょくばらぼ、採用ページ、ユースエール認定を使って調べる
- 数字だけで判断せず、説明会や面接で社員の様子も確かめる
- 知名度が低くても数字の良い企業を狙う
まずは、気になる会社を3社選び、5つの数字を表にまとめてみましょう。並べて比べるだけで、会社の違いがはっきり見えてきます。
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